遺言イメージ

遅れてきた母親からの遺言状

母は癌で亡くなりました。
苦しい闘病生活でも笑顔を忘れない、本当に太陽のような人で。
抗がん剤の副作用で激しい嘔吐に苦しんでる時でさえ、いつでも家族や周りの人達の心配をしてるようなそんな人。
ですので母が亡くなった時には、家族だけでなく医師や看護師さん達まで号泣して悲しんでくれて・・・。
そんな人でしたから、いなくなると家の中が本当に火が消えたようでした。
特に父の傷心ぶりは、見ていてこちらが辛くなるほどに。
ですがいつまでも悲しんでるわけにもいかない。
こんな状況を喜ぶ母じゃない。
力を合わせて、母の分まで元気に頑張ろう。
そう決めて必死に毎日を過ごし、やっと家族に笑顔が戻って来た頃。
「母の遺品整理をしよう」という事になりました。
それまでは辛すぎて、どうしても手をつける事が出来なかったのです。
そして何日も何日も、ほんの少しずつ整理をし、あと少しで終わるという頃に見つけた汚い小箱。
開けてみるとそこには、母からの家族に宛てた手紙が入っていました。
「私はとても幸せでした。だから、私がいなくなっても悲しまないで」「普通の人より短い人生だったけど、普通の人より濃い人生を生きられた」「大好きな私の家族。その笑顔が私の一番の宝物」そんな事が、震える文字で書いてあったのです。
最後の頃は、紙切れですら持ち上げられないほどに弱っていた母。
そんな母が最後の力を振り絞って、必死にこれを書いたかと思うと涙が止まりませんでした。
母からの最後のお願い。
「私の大好きな笑顔を無くさないで」この言葉が、今でも私達家族を支えています。
何か悲しい事があった時。
何か辛くて仕方のない事があった時。
そんな時でも、ほんの少しだけ泣いて、母が大好きだと言ってくれた笑顔に戻ります。
今でもたまに、この母からの遺言の話が家族の間で出ます。
「こんな遺言を残されたら、何があっても笑顔でいるしかないよな。まったくやってくれるよ」と。
おかげでケンカになっても、すぐに仲直りできる家族になれました。
母が亡くなった時、私はまだまだ若くて親孝行なんて頭にも浮かばないバカ娘でしたが・・・今は少し大人になって、天国の母に恥ずかしくない自分でいたいと思えるようになりました。
笑顔の大切さも教わりました。
亡くなってからも、手紙をいう形で私達に大切な事を教え続けてくれてる母が、私は大好きです。
私も自分が亡くなる時には、母のようにこんなステキな遺言を残せるといいなと思います。

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