遺言イメージ

遺言だけでは遺留分を排除できません

私の義母は、6人の兄弟姉妹がおり、女の子供の中では長女であり、男を入れると義母よりも年上の長男がいました。
義母の父親は若くして亡くなりましたが、一流企業に勤務しており、地方の都市に100坪の土地を買い、一戸建てを購入して生活をしていました。
6人の兄弟姉妹は、それぞれ教員や市役所、一流企業などの固い職業についており、それぞれ配偶者と子供がいる家庭環境でした。
あるとき、義母の母も年を取ってきたので、兄弟姉妹の誰かが同居し、面倒を見た方がよいということで、家族会議を開き話し合ったところ、母親の住居がある市内に住んでいる長男が一番ふさわしいということになったのですが、長男は、すでに市内に一戸建て住宅を購入しており、自由に生活しており、配偶者が母親とあまり仲が良くなく同居はできないと言い出しました。
残りの兄弟姉妹も、いろいろと理由を並べ、同居を拒否したため、仕方なく、義母は他県にあった住居を売却し、母の家に同居することになりました。
義父の勤務先は、かつての住居からみると同居により遠距離通勤になり、当初は元気だった母親も年を経るごとに身体が弱くなり、毎日のように病院通いをするようになりましたが、一人で病院に行くことができず、義母は毎日のように病院に車で母親をつけて今日々を過ごしました。
ほかの5人の兄弟姉妹は、盆暮れ正月には母親のところにきて、料理を食べお酒を飲んで、時間が来ると帰ってしまいましたが、義母は料理の準備やかたずけのために、いつも忙しい思いをしていました。
義理の母親の財産といえば、かつて購入した100坪の土地だけであり、ほかには財産はありませんでした。
義母も母親との同居を決めてから、他県にあった自宅を売却して引っ越してきましたが、義母との生活費にわずかなたくわえを使い果たしてしまいました。
義母は、母親との同居のために献身的に過ごし、経済的にも母親の面倒を見るため出費がかさみ財産もほとんどなくなってしまいましたが、ほかの5人の兄弟姉妹は、自分の生活は維持しつつ、適当に母親と接したため経済的にはゆとりのある生活を送っていました。
そのようなときに万一母親が死亡した場合、母親名義の唯一の財産である100坪の土地をめぐり、争いが生じたことは間違えありません。
幸いにも、義母の母親は、義母の献身的な姿をみて、義母一家に唯一の土地を譲ろうと考え、遺言書をかきました。
あるとき、私が、義母に遺言書を見せられ相談を受けたのですが、驚いたことに、土地の半分は、規模の夫に、残りの半分は義母にと記載がありました。
唯一の財産である土地に今後も生活をしていくつもりの義母たちでしたが、この遺言書では、相続が発生したときは、法定相続人に遺留分を主張されたら、義母は今の家を追われかねませんでした。
法学部出身の私は、遺留分の問題が残らないよう義母に生前贈与をすすめました。
そして、生前贈与を行った日に、今後遺留分減殺請求されないように、義母の母とともに兄弟姉妹を集め、生前贈与したことを伝えるようすすめました。
こうしておけば、1年が経過すれば遺留分減殺請求権も消滅します。
その日から2年後義母の母はなくなりました。

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